お師匠様現る。
最近会社で席替えをしました。
私の隣に来たのは、見るからに山寺の和尚さん風の小柄なオジサマ。
いっつも楽しそうで、
仕事をしながら「あ”~!!」とか、「・・・なんだよなあ」なんて、
大きい独り言をいつも呟いている面白い人です。
何となく気が合って、冗談を言っては笑ったりしてました。
家では「山寺の和尚さん風の人」と勝手に名付けて
娘達に紹介していました。
ところが今日、その「おしょさん」が「おっしょさん」に変わりました。
始まりは何気ない会話から。
「昨日、Sさんが『 I さんって凄い人なんだぞ!』っておっしゃってました。」
なんて言ったら、すかさず I さんの前の席のSDさんが
「そうだよ。 Iさんスーパーマンなんだよ。」なんて
ポロリと言い放ったのです。
へ~、スーパーマンなんだ~なんて軽く聞き流していたら
出るわ出るわ、武勇伝の数々・・・
最初の出張がペレストロイカ前のソ連というところから尋常じゃない。
KGBにこっそり跡をつけられていたとか
「そうそう、出張中にさあ~、一緒に出張に行った人達と、現地の担当者にアイスホッケーの試合に連れて行ってくれって頼んだらさ~、いきなりアリーナ席なんだよ~。
しかも俺達が入って行ったらみんなが立って拍手してくれてさ~
『俺達、歓迎されてる?!』って思っちゃったよ~、うひゃひゃひゃ!!」
アジア関係の工場の設備関連はほぼ制覇。
今年なんかは年間130日以上も海外生活。
確かにスーパーマンです。
「俺さー、何でもやったんだよ。それこそトイレ掃除もやったし、電気を
止めた高圧電線の鉄塔に登って拭き掃除とかね~。あれは怖かったな~。
そうそう、2000ボルトの電流が流れてるケーブルをゴムマット敷いて作業したなあ、
絶縁手袋してさあ、オレ、汗が垂れないように必死だったよ~。」
そうですよね。汗なんか垂れたらそれこそ一瞬で感電ですよね~。
なんて話していたら、前述SDさんがまたもやぽろっと一言。
「でもさ、 I さんって1万5千ボルトの電流受けたことがあるんだよね~」
・・・・・・は?!
「そうそう、俺がさあ、・・・・スイッチ(すみません名前を忘れた)を持ってたらさ
誰かがスイッチ入れちゃってさあ、1万5千ボルトが体を流れちゃったんだよ。
そんときのがこれ。」
といって見せていただいた左手には変形した親指と火傷のケロイド跡。
何と、そんな勲章があったとは、隣にいたのに不覚にも気付きませんでした。
「電気の火傷ってさあ、体の中から焼けるから、後から火傷が浮き上がってくるんだよね。
あと、電流がさあ腰から抜けたらしくて、今も腰に火傷の痕があるんだよ~。
その時はさ~、さすがに両腕が動かなかったなあ。病院に缶詰で絶対安静!
会社の人たちがさあ、そんな事故珍しいから参考にさせてくださいとか言って
それこそいろんな人達が見に来たぞ~。」
そりゃそうです。1万5千ボルトを受けて生きてるだけでも超人ですって!!
私は感激のあまり思わずその左手に握手させていただきました。
そんな強運の持ち主にあやからせていただきたかったのです。
肉厚の、優しい手でした。
私はそれまでの「山寺のおしょさん」から考えを改め
「山寺のおっしょさん」に心の中の名称を改めました。
まあ、そのあとも出るわ出るわ・・・・
電気ケーブルの束を担いで、地上5メートルの工場の梁の上で
命綱なしで作業した話とか、
鋳造機(溶けた700度とかのアルミを鋳造する機械)の電気を止めて
狭い穴の中で電気作業をした話とか・・・・
「俺、背が小さいからさ~、俺くらいしか入って作業できるのがいなかったんだよな~。
出るときは足を引っ張ってもらわないと出られないんだよ~。」
って、本物の機械を見たことがある私は震えあがりました。
それこそ間違えてスイッチが入ったら
人間ミンチのいっちょあがりですよ!!
わーん!!閉所恐怖症で、高所恐怖症の私は考えただけでも
気が遠くなりそうでした。
凄い、すごすぎる!おっしょ様!!
日本のエンジニア万歳!!
いや、 I さん万歳!!
・・・・しかし、今朝私がポニーテールにしていったら
「おっ!Janeちゃん、今日は若いじゃん!」とコメントしたので
笑顔で受けて
「違いますよ Iさん、『今日も』ですって!」と訂正しておきました。
「あ、そーか!うひゃひゃひゃひゃ!!」
ぴったり全身タイツで胸にSマークもないけど、
ひらひらマントで空を飛んだり、弾丸を止めたりしないけど
スーパーマンはいる。
小柄な体躯で、私の横で破顔一笑されておりました。
イーサン・ハントもクラーク・ケントもかなわない
スーパージャパニーズビジネスマン!
裏手に川が流れ、カワセミの飛ぶ自宅から
小柄な体躯でひょうひょうとやってくるスーパーマン。
ついてゆきますおっしょ様!
こんなスーパーな人初めて見た!!
明日もさとうきびのお砂糖、一緒に食べましょうね。
おっしょ様。
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