うるわしのオフィーリア。
ミヒャエル・エンデという作家がいます。
既に亡くなっているので、正しくは「いました。」
「ネバーエンディング・ストーリー」や「モモ」などは映画化もされているので
その辺りで名前を知っている方も多いかと思います。
私も大してこの作家について知っているわけでもないので
エラそうなことは言えませんが、彼の作品の中で、とても好きなものを紹介します。
「Ophelia's Shadow Theatre」という名の絵本です。
日本語でも「オフィーリアおばさんの影芝居」とか言う名前で出てました。
何と言っても絵が素晴らしいのです。
柔らかなパステルの中に浮かび上がるオフィーリアおばあさんのささやかな人生。
その友達ともなる影たち・・・。
あまり内容を詳しく言うのは趣味ではないので避けますが、ささやくような声を持った
オフィーリアおばあさんが、その声を生かして長年プロンプター(役者がセリフを忘れたときに、そっとセリフを教える人)として勤めてきた劇場を去らなければならなくなるところから話が始まります。
お話の途中で2ページにわたって絵だけが挿入されるシーンが何回かあります。
その中で、オフィーリアが海辺にいるシーンがあるのです。
ふるさとの海をこよなく愛する私にとって、このシーンほど切ないものはありませんでした。
ただ涙があふれてしまいました。
難しいことや批評精神なんて関係ないところで
涙があふれてしまいました。
やわらかいパステルの色合いの中で、こんな孤独と寂寥感を表現できるなんて、
この挿絵画家は天才だと思いました。
そして物語の最後の数ページを彩る絵こそ、私をひきつけてやまないものです。
大学時代に研究会で発表しているさなかに浮かんだビジョンと、とてつもなく
近いものだったのです。
あえて言えば、「あの世」なのでしょうか、「いつか行きたいところ」というものなのでしょうか
なんとも言葉で表現できないイメージでした。
この挿絵画家は天才です。
物語の素晴らしさもありますが、この挿絵画家なくしてこの絵本が
これほどまでの力を持つことはなかったと思います。
ブログに画像を挿入できる技を習得したのがうれしくて書いてしまいました。
ぜひ、読んでみて下さい。
残念なことに、私はドイツ語は読めないので英語で読みました。
日本語でも出ていますが、英語の訳も素晴らしいものでした。
前述の文は英語版の絵本について書いたものです。
いのちに年齢はなく、輝きだけがあることを、思い出させてくれる一冊です。
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